林道開設工事 大鹿村
今回は県営林道高森山線開設工事の現場を紹介したいと思います。
斜面の掘削は終了し、この日は鋼製L型擁壁を設置するためにさらに谷側の土砂を掘削していました。
スプレーで掘削する位置などをマークし、それに合わせて掘り進めます。
スプレーでマークした位置まで
きれいに確実に掘削する業者の方の操縦技術に感動しました 😯
例えば、掘削したところからさらに何センチ掘削しなければならないのかということを10センチくらいの単位で確実に掘削されます、、!
重機を操縦し、繊細な作業をこなす、まさしくプロの技です 😮
掘削したところには鋼製L型擁壁を設置し、
最終的には下図のように施工される予定です 💡
鋼製L型擁壁を設置することによって林道の幅を拡張することができます。
この現場では先日の台風の影響もあり、のり面が大きく崩れてしまいました。
写真から赤枠のところが削れていることが分かると思います。
こういう場合は崩れてしまった土砂をさらに搬出し施工を行います。
崩れてしまった部分の斜面はそのまま残る形になります。
また、のり面を見てみると地質が同じではないことが分かります。
下の軟岩の部分はコンクリート吹付を行い、上の部分は植生工を行います。
コンクリート吹付は岩盤が固いところに用いられる工法です。
もし、砂質土の法面にコンクリート吹付を行ってしまったら砂質土ののり面が崩れて、空洞になってしまい、安定しません。
反対に、軟岩などの固いのり面にコンクリート吹付を行うと、のり面が安定します。
砂質土の部分は植生工を行います。
のり面を植物で覆うことにより、雨水によるのり面の浸食を防ぎ、風化を抑制することができます。
また、植生工は景観を保つ、といった役割も担っています。
ちなみにこの工事の終点はこんな感じです。
この写真をみると今の林道が拓ける前の様子が想像できます、、 💡
また、林道を作る際にいかに多くの土砂が搬出されているのか、なんとなく想像することができると思います。
掘削された土砂はダンプによって一番近くの土捨て場まで運ばれます。
ちなみに、この現場の土捨て場は片道3kmもあり、また、道も舗装されていないので往復で約30分ほどかかってしまうそうです 🙁
土捨て場の様子です。
この赤枠のあたりに土砂を搬出します。
土捨て場の水道の確保や土砂の流出を防ぐための施工などもこの工事の施工内容の中に含まれており、土砂の掘削前に施工します。
ここの土捨て場の土砂がたまると、最終的には、
赤枠にしめすように、植生工を施し成形します!
このように、林道開設の際に排出された土砂は谷部に搬出されます。
普段生活している中で道路ができる過程を見る機会はほとんどありません。
土砂を掘削していく過程、道を規格に合わせて広げる過程、などたくさんの段階を経て道ができていくのだと改めて実感しました。